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コンビニやスーパーでカードをかざすだけのタッチ決済、すっかり身近になりましたね。ところが、まとめ買いをしたときに急に「カードを差し込んでください」と表示されて、あわてた経験がある人もいるかもしれません。タッチ決済の上限は1万円なのか、1万5,000円なのか、SNSでも意見が分かれているようです。
この記事では、Visa公式サイトのタッチ決済のページ、JCBブランドのページとよくある質問、JCBの加盟店向けページ、三井住友カードの加盟店向けのお知らせ、Appleサポートなどをもとに、タッチ決済の上限の考え方を整理しました。国際ブランドごとの違い、スマホでかざす場合の違い、上限を超えたときの払い方、注意したい点まで順番に見ていきましょう。
タッチ決済の上限はいくら?まず国際ブランドの基準を確認
まずは、タッチ決済の上限が国際ブランドでどう決められているのかを確認しておきましょう。ここでいう上限は、カードの利用可能枠とは別のものです。
Visaは原則15,000円で本人確認、CVMリミットとJCBの考え方
Visa公式サイトのタッチ決済のページでは、レジのリーダーにカードをタッチするだけで、サインも暗証番号も不要で支払いが完了すると説明されていました。そのうえで注記として、一定金額(原則15,000円)を超える支払いは、カードを挿して暗証番号を入力するか、サインが必要になると書かれています。
つまり、15,000円を超えたらタッチ決済そのものが使えないというより、カードを差し込んで暗証番号を入れるなどの本人確認に切り替わる、という理解が近いでしょう。三井住友カードの解説記事でも、Visaのタッチ決済の上限額は原則1万5,000円で、それを超える支払いではサインもしくは暗証番号の入力が求められると紹介されていました。
「タッチ決済は1万円まで」と覚えている人がいるのには、理由がありそうです。三井住友カードの加盟店向けのお知らせ「ブランドルール改定に伴う端末機設定変更のお知らせ」では、Visaのブランドルールで、すべてのカード取引におけるCVMリミットが10,000円から15,000円になると案内されていました。Mastercardのブランドルールでも、非接触ICカード取引のCVMリミットが10,000円から15,000円に変更になると書かれています。
同じお知らせでは、CVMリミットを「本人確認認証を行わない取引の上限金額」と説明していました。三井住友カードは2022年12月から順次、全カード端末機で取り扱う非接触ICカード取引のCVMリミットを15,000円に変更するとしています。もともと1万円だった基準が引き上げられたので、昔の感覚のまま「1万円まで」と思っている人がいても不思議ではありません。
JCBブランドのタッチ決済のページでは、サインや暗証番号の入力、アプリの立ち上げ、チャージも不要と紹介されていました。ただし注記として、一定金額を超える支払いでは、サインまたはICカードの挿入と暗証番号入力などの本人確認が必要となることがある、と書かれています。具体的な金額は、このページには示されていませんでした。
JCBの加盟店向けページでは、暗証番号の入力やサインが必要になる金額は、端末機とカードの発行会社の設定によって異なると説明されていました。加盟店に向けては、利用金額が一定金額以上の場合は本人確認が必要な場合があるので、端末に表示されるメッセージに従ってサインやICカードの差し込みと暗証番号の入力を求めるよう案内されています。JCBのカードでは、同じ金額でもお店によって対応が変わることがあると考えておくとよさそうです。
同じ金額でもお店によって違うのはなぜ?
ブランドの基準がわかっても、実際のレジでは「このお店では1万円で差し込みを求められた」ということがあります。お店ごとに対応が違う理由を見ていきましょう。
1万円以上でPINを求める店もあり、上限は利用可能枠とは別
三井住友カードの解説記事では、Visaのタッチ決済の上限は原則1万5,000円としながらも、なかには「1万円以上の支払いは暗証番号の入力が必要」と定めている加盟店もあり、店舗によって上限額が異なる場合があると説明されていました。大きな金額を支払うときは、あらかじめ限度額を確認しておくと安心だとも書かれています。
X(旧Twitter)でも、近くのお店ではクレジットカードのタッチ決済が1万円までだったという投稿や、タッチ決済の上限は1万円なのか1万5,000円なのかと戸惑う投稿が見られました。どちらかが間違いというより、ブランドの基準と、お店ごとの設定が重なっているために、体験が人によって違って見えるのだと考えられます。
カード会社のよくある質問を見比べると、書かれている金額がそろっていないこともあります。たとえば、りそなカードの法人向けのよくある質問「Visaのタッチ決済とは何ですか。」では、支払金額が一定金額(原則1万円)を超える場合、暗証番号の入力やサインが必要と書かれていました。一方で、Visa公式サイトでは原則15,000円と案内されています。
三菱UFJ銀行のコラムでは、タッチ決済には1回の支払いに上限額があり、カードの国際ブランドや利用するお店、国によって上限額が異なる場合があると説明されていました。日本では、原則として1回15,000円を超えるショッピングでは、暗証番号による認証が必要となることが多い、とも書かれています。気になるときは、自分のカードの発行会社の現在の案内を確かめるのがいちばん確実でしょう。
三菱UFJ銀行のコラムでは、タッチ決済の1回あたりの上限額は、クレジットカードの利用可能枠とは異なると説明されていました。利用可能枠が十分に残っていても、1回の支払いが本人確認なしの上限を超えれば、タッチだけでは支払えないことがある、ということです。
反対に、タッチ決済の上限より小さい金額でも、カードの利用可能枠を使い切っていれば支払いはできません。JCBのよくある質問でも、スマホ決済の利用上限金額は、支払いに指定しているカードの限度額や残高に準じると書かれていました。デビットカードの場合は、発行銀行が定める利用上限金額が別にあることもあるそうです。上限の話が出たら、「1回あたりの上限」と「カード全体の枠」を分けて考えると混乱しにくくなります。
スマホでかざす場合は上限が違う?
カードそのものではなく、スマホやスマートウォッチにカードを登録してかざす人も増えています。スマホの場合の上限の考え方を確認しておきましょう。
スマホのタッチ決済とQUICPayの上限、Appleの説明
JCBのよくある質問「Apple Pay・Google Pay・Samsung Wallet の1回あたりの利用上限額を教えてください。」では、JCBのタッチ決済マークのお店で使う場合、Apple Pay、Google Pay、Samsung Walletのいずれも「上限なし」と表で案内されていました。JCBのカード会員向けの解説ページでも、JCBのタッチ決済ができる店舗であれば、Apple Pay、Google Payのいずれも上限なしで利用できると書かれています。
ただし、同じよくある質問の共通の案内では、利用上限金額は支払いに指定しているカードの限度額や残高に準じること、利用する店舗によって利用上限金額に制限がある場合があることも明記されていました。「上限なし」はJCB側の設定の話で、どのお店でも無制限に使えるという意味ではない点に気をつけたいところです。
同じJCBのよくある質問には、QUICPayで支払う場合の上限も載っていました。QUICPayマークのお店では、Apple PayとGoogle Payのどちらも2万円(税込)が上限です。QUICPay+マークのお店では、Apple Payは上限なし、Google Payは3万円(税込)と書かれていました。
なお、Samsung WalletはQUICPayとQUICPay+に対応していないこと、デビットカードやプリペイドカードを支払いに指定している場合は、QUICPay+対応の加盟店でのみ使えることも案内されています。同じスマホでかざす支払いでも、タッチ決済で払うのか、QUICPayで払うのかによって上限が変わるので、レジでどちらの方法を伝えるかが大切になってきます。
Appleサポートの「お店でApple Payを使う時の限度額について」では、一部の国や地域では、加盟店またはカードの発行元からのリクエストに応じて、PINの入力やレシートへの署名、ほかの方法での本人確認が必要な場合があると説明されていました。カードの発行元と加盟店が利用限度額を設定したり、PINの入力を必要としたりする場合がある、とも書かれています。
三井住友カードの解説記事でも、スマホに登録していればカードを持ち歩かずに支払えるものの、店舗によっては上限額が定められている場合があるので、まとまった金額を支払うときは注意するよう呼びかけていました。スマホならいつでも通るとは考えず、高額の支払いではカード本体も持っておくと安心です。
上限を超えたときの払い方と注意点
最後に、レジで上限を超えたときにどうすればいいのか、そしてタッチ決済を使ううえで注意しておきたい点をまとめておきます。
差し込みを求められたときの払い方と、紛失時の連絡
Visa公式サイトの案内どおり、一定金額を超える支払いでは、カードを挿して暗証番号を入力するか、サインをすることで支払いができます。JCBの加盟店向けページでも、端末に表示されるメッセージに従って、サインまたはICカードの差し込みと暗証番号の入力を求めるよう案内されていました。
タッチがうまくいかなくても、カードが使えなくなったわけではないので、落ち着いて端末やお店の人の案内に従えば大丈夫です。暗証番号を忘れてしまっていると、ここで手が止まってしまいます。高額の買い物の予定があるときは、事前に自分のカードの暗証番号を確認しておくと安心ですね。照会の方法はカード会社によって違うので、会員向けのサイトなどで確かめておきましょう。
Visa公式サイトでは、支払いのときに「Visaで」と伝え、リーダーのライトが光ったらカードやスマホをタッチするよう案内されていました。店舗や端末によっては「Visaをタッチで」と伝える必要がある場合もあるそうです。JCBのブランドページでは、「JCBで」または「JCBのタッチ決済で」と伝えるよう書かれていました。
JCBの解説ページによると、支払い方法を自分で選ぶタイプのレジやセルフレジでは、決済画面で「クレジットカード」や「タッチ決済」を選んでからかざせばよいそうです。三井住友カードの解説記事では、タッチ決済と交通系ICカードはかざす端末が違うので、Visaのタッチ決済を使うときはリップルマークの付いた専用端末にかざすよう注意を促していました。
三菱UFJ銀行のコラムでは、タッチ決済は暗証番号の入力が不要なケースも多いため、カードやスマートフォン、スマートウォッチを紛失したり盗まれたりすると、気づかないうちに第三者に不正利用される可能性があると説明されていました。日ごろから利用明細をこまめに確認し、紛失に気づいたらすぐにカード会社へ連絡して利用停止の手続きをするよう呼びかけています。
一方で、Visa公式サイトでは、カードを渡さずに支払いが完了し、氏名やセキュリティコードが見えないため偽造やオンライン不正を抑止できると紹介されていました。紛失や盗難のときも原則ゼロ負担とされていますが、適用条件は商品によって異なるので発行会社に確認するよう注記されています。便利さと注意点の両方を知ったうえで使いたいですね。
まとめ:タッチ決済の上限は「ブランドの基準+お店の設定」で考えよう
ここまで、タッチ決済の上限について見てきました。最後にポイントを振り返っておきましょう。
- Visaのタッチ決済は、一定金額(原則15,000円)を超えると暗証番号の入力かサインが必要
- VisaとMastercardのブランドルールで、本人確認なしの上限(CVMリミット)は10,000円から15,000円に変更された
- JCBは金額を一律に示しておらず、端末とカード発行会社の設定によって異なる
- 1万円以上で暗証番号を求めるお店もあり、ページによって書かれている金額が違うこともある
- JCBはApple PayやGoogle Payのタッチ決済を上限なしと案内しているが、カードの限度額やお店の制限には従う
- 上限を超えたら、カードを差し込んで暗証番号を入れるかサインをすれば支払える
タッチ決済の上限は、「何円まで」とひとつの数字で覚えるより、ブランドの基準にお店やカード会社の設定が重なるものとして覚えておくと迷いにくくなります。まとめ買いやチケットの支払いなど、金額が大きくなりそうな日は、暗証番号を確かめてから出かけてみてくださいね。