タッチ決済は1万円まで?Visaは原則1万5,000円、JCBは端末やカード会社の設定次第、スマホ払いとの違いと超えた時の払い方

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コンビニやスーパーでカードをかざすだけのタッチ決済、すっかり身近になりましたね。ところが、まとめ買いをしたときに急に「カードを差し込んでください」と表示されて、あわてた経験がある人もいるかもしれません。タッチ決済の上限は1万円なのか、1万5,000円なのか、SNSでも意見が分かれているようです。

この記事では、Visa公式サイトのタッチ決済のページ、JCBブランドのページとよくある質問、JCBや三井住友カードの加盟店向けのお知らせ、日本クレジットカード協会の案内、Appleサポートなどをもとに、タッチ決済の上限の考え方を整理しました。国際ブランドごとの違い、スマホでかざす場合の違い、上限を超えたときの払い方、注意したい点まで順番に見ていきましょう。

目次

タッチ決済の上限はいくら?まず国際ブランドの基準を確認

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まずは、タッチ決済の上限が国際ブランドでどう決められているのかを確認しておきましょう。ここでいう上限は、カードの利用可能枠とは別のものです。

Visaは原則15,000円を超えると本人確認

Visa公式サイトのタッチ決済のページでは、レジのリーダーにカードをタッチするだけで、サインも暗証番号も不要で支払いが完了すると説明されていました。そのうえで注記として、一定金額(原則15,000円)を超える支払いは、カードを挿して暗証番号を入力するか、サインが必要になると書かれています。

つまり、15,000円を超えたらタッチ決済そのものが使えないというより、カードを差し込んで暗証番号を入れるなどの本人確認に切り替わる、という理解が近いでしょう。三井住友カードの解説記事でも、Visaのタッチ決済の上限額は原則1万5,000円で、それを超える支払いではサインもしくは暗証番号の入力が求められると紹介されていました。

迷いやすいのが、ちょうど15,000円の支払いです。三井住友カードの加盟店向けのお知らせでは、15,000円以下の非接触ICカード取引は本人確認認証を行わずに取引を実行できるようにする、と説明されていました。基準は「15,000円以下ならかざすだけ、15,000円を超えると本人確認」という線引きで、15,000円ちょうどはかざすだけで済む側に入ります。ただし、これはあくまで原則で、お店やカード会社の設定でもっと低い金額から本人確認を求められることもあります。

Visa公式サイトによると、Visaのタッチ決済は世界約200の国と地域で使え、ロンドンやミラノなど世界870を超える交通機関(2024年9月時点)でも利用できるそうです。また、Visaが委託した2016年の調査をもとに、決済時間が2分の1に短くなるとも紹介していました。安全面については、Europay、MasterCard、Visaの3社が開発したICチップの世界標準規格であるEMVを使っていると説明されています。

使えるかどうかの目印は、カードの券面とお店の両方にある、電波のような形のタッチ決済対応マークです。三井住友カードの解説記事では、券面にこのマーク(リップルマーク)があるカードで利用でき、クレジットカードのほか、デビットカードやプリペイドカードでも対応している場合があると書かれていました。手元のカードにマークがあるか、一度確かめておくとよいですね。

1万円から1万5,000円に変わった「CVMリミット」とは

「タッチ決済は1万円まで」と覚えている人がいるのには、理由がありそうです。三井住友カードの加盟店向けのお知らせ「ブランドルール改定に伴う端末機設定変更のお知らせ」では、Visaのブランドルールで、すべてのカード取引におけるCVMリミットが10,000円から15,000円になると案内されていました。Mastercardのブランドルールでも、非接触ICカード取引のCVMリミットが10,000円から15,000円に変更になると書かれています。

同じお知らせでは、CVMリミットを「本人確認認証を行わない取引の上限金額」と説明していました。三井住友カードは2022年12月から順次、全カード端末機で取り扱う非接触ICカード取引のCVMリミットを15,000円に変更するとしています。もともと1万円だった基準が引き上げられたので、昔の感覚のまま「1万円まで」と思っている人がいても不思議ではありません。

このお知らせには、もうひとつ「フロアリミット」という言葉も出てきます。こちらは信用照会(オンラインでの取引照会)を行わない取引の上限金額のことで、Visaのブランドルールでは、特定業種を除くすべての業種で非接触ICカード取引のフロアリミットが10,000円から0円に変わるとされていました。以前は10,000円以下のタッチ決済は通信の発生しないオフライン取引でしたが、設定変更後は全件がオンライン取引になるそうです。

ふたつの言葉は似ていますが、意味は別物です。CVMリミットは「暗証番号やサインを求めずに済む金額」、フロアリミットは「カード会社に照会せずに済む金額」を指します。今のタッチ決済は、暗証番号を入れなくてもカード会社への照会はすべて行われている、という仕組みだとわかります。なお、磁気カードや差し込み式のIC取引は、以前から全件オンライン取引だったと書かれていました。

本人確認なしの上限が国によって違うことも、知っておきたい点です。イギリスの金融行動監視機構(FCA)によると、イギリスでは2020年4月に業界が30ポンドから45ポンドへ引き上げ、2021年3月にはFCAのルール変更で1回100ポンドまで引き上げられました。さらにFCAは2025年12月、強い不正対策を持つ銀行などが独自に上限を決められるようにするルール変更を発表し、2026年3月から適用するとしています。もっとも、多くの銀行は当面これまでの上限を維持する見込みだとFCA自身が説明していました。

JCBは金額を一律に示さず、端末とカード会社の設定次第

JCBブランドのタッチ決済のページでは、サインや暗証番号の入力、アプリの立ち上げ、チャージも不要と紹介されていました。ただし注記として、一定金額を超える支払いでは、サインまたはICカードの挿入と暗証番号入力などの本人確認が必要となることがある、と書かれています。具体的な金額は、このページには示されていませんでした。

JCBの加盟店向けページでは、暗証番号の入力やサインが必要になる金額は、端末機とカードの発行会社の設定によって異なると説明されていました。加盟店に向けては、利用金額が一定金額以上の場合は本人確認が必要な場合があるので、端末に表示されるメッセージに従ってサインやICカードの差し込みと暗証番号の入力を求めるよう案内されています。JCBのカードでは、同じ金額でもお店によって対応が変わることがあると考えておくとよさそうです。

同じ加盟店向けページによると、JCBのタッチ決済は、近距離通信の国際標準規格とEMVに準拠した非接触決済です。EMVについては、IC決済・認証のグローバル仕様を定めた国際標準規格だと注記されていました。国際標準に沿っているので、日本だけでなく、海外から来たお客さんの決済にも使えるという説明です。

JCBのブランドページでは、JCBマークの付いたクレジットカードを持っていれば、カードやスマホでJCBのタッチ決済が使えると案内されていました。ただし一部未対応のカードがあり、カードをかざして払うにはタッチ決済対応マークのあるJCBカードが必要とされています。一方で、スマホのウォレットに登録して使う場合は、対応マークがないカードでも利用できると書かれていました。

なお、加盟店向けページには、JCBの加盟店契約に応じて、アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブのタッチ決済なども利用できると案内されていました。ただ、端末の種類によっては取り扱いができなかったり、追加の手続きが必要になったりするそうです。マークが並んでいても、すべてのブランドが同じ条件で使えるとは限らない点も覚えておきましょう。

同じ金額でもお店によって違うのはなぜ?

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ブランドの基準がわかっても、実際のレジでは「このお店では1万円で差し込みを求められた」ということがあります。お店ごとに対応が違う理由を見ていきましょう。

1万円以上で暗証番号を求める加盟店もある

三井住友カードの解説記事では、Visaのタッチ決済の上限は原則1万5,000円としながらも、なかには「1万円以上の支払いは暗証番号の入力が必要」と定めている加盟店もあり、店舗によって上限額が異なる場合があると説明されていました。大きな金額を支払うときは、あらかじめ限度額を確認しておくと安心だとも書かれています。

X(旧Twitter)でも、近くのお店ではクレジットカードのタッチ決済が1万円までだったという投稿や、タッチ決済の上限は1万円なのか1万5,000円なのかと戸惑う投稿が見られました。どちらかが間違いというより、ブランドの基準と、お店ごとの設定が重なっているために、体験が人によって違って見えるのだと考えられます。

お店ごとに違いが出る理由のひとつは、上限が「端末の設定」で決まっていることです。三井住友カードのお知らせでは、CVMリミットの15,000円への変更を、全カード端末機に対して2022年12月から「順次」行うとしていました。一斉に切り替わったわけではないので、時期によっては同じブランドでも店ごとに基準が違って見えたはずです。JCBの加盟店向けページでも、本人確認が必要になる金額は端末機とカード発行会社の設定によって異なると書かれていました。

Appleサポートの説明にも、カードの発行元と加盟店が利用限度額を設定したり、PINの入力を求めたりする場合があるという一文がありました。上限を決めているのはブランドだけではなく、お店側の端末とカード会社側の設定も関わっているということです。ブランドの基準は「ここまでは本人確認なしでよい」という上限で、それより低い金額で本人確認を求めることはできる、と考えると整理しやすいでしょう。

レジで1万円を超えたあたりで差し込みを求められても、エラーやカードの故障とは限りません。端末の表示に従ってICカードを差し込み、暗証番号を入力すれば、そのまま支払いは進みます。急いでいるときほど暗証番号があいまいだと困るので、普段からタッチ決済ばかりの人ほど、暗証番号を思い出せるか確かめておきたいところです。

案内ページによって書かれている金額が違うことも

カード会社のよくある質問を見比べると、書かれている金額がそろっていないこともあります。たとえば、りそなカードの法人向けのよくある質問「Visaのタッチ決済とは何ですか。」では、支払金額が一定金額(原則1万円)を超える場合、暗証番号の入力やサインが必要と書かれていました。一方で、Visa公式サイトでは原則15,000円と案内されています。

三菱UFJ銀行のコラムでは、タッチ決済には1回の支払いに上限額があり、カードの国際ブランドや利用するお店、国によって上限額が異なる場合があると説明されていました。日本では、原則として1回15,000円を超えるショッピングでは、暗証番号による認証が必要となることが多い、とも書かれています。気になるときは、自分のカードの発行会社の現在の案内を確かめるのがいちばん確実でしょう。

ページによって金額が違うのは、書かれた時期が違うからかもしれません。前の見出しで触れたとおり、VisaとMastercardのCVMリミットは10,000円から15,000円に引き上げられ、三井住友カードは2022年12月から順次、端末の設定を変えています。ルール変更より前に書かれた案内が更新されずに残っていれば、古い1万円という数字が目に入ることになります。

そこで役に立つのが、ページの更新日を見る習慣です。今回参照したページでも、三菱UFJ銀行のコラムには2026年5月11日現在、JCBのよくある質問には2025年8月1日公開・2026年5月13日更新と日付が書かれていました。Appleサポートの限度額のページは2024年12月24日公開、Visa公式サイトの交通機関の数は2024年9月時点の数字です。日付が新しく、カード発行会社やブランドが自ら出している案内を優先して読むと、古い情報に振り回されにくくなります。

それでも判断がつかないときは、自分のカードの会員向けサイトやアプリで確かめるのが確実です。JCBのよくある質問のように、ブランドの共通ルールとは別に、カード発行会社や加盟店の設定で上限が変わると明記しているところもあります。数字を一つ覚えておくより、「最終的には自分のカードとそのお店の設定で決まる」と押さえておくほうが、実際のレジでは役に立つでしょう。

上限はカードの利用可能枠とは別もの

三菱UFJ銀行のコラムでは、タッチ決済の1回あたりの上限額は、クレジットカードの利用可能枠とは異なると説明されていました。利用可能枠が十分に残っていても、1回の支払いが本人確認なしの上限を超えれば、タッチだけでは支払えないことがある、ということです。

反対に、タッチ決済の上限より小さい金額でも、カードの利用可能枠を使い切っていれば支払いはできません。JCBのよくある質問でも、スマホ決済の利用上限金額は、支払いに指定しているカードの限度額や残高に準じると書かれていました。デビットカードの場合は、発行銀行が定める利用上限金額が別にあることもあるそうです。上限の話が出たら、「1回あたりの上限」と「カード全体の枠」を分けて考えると混乱しにくくなります。

上限や枠のほかにも、タッチ決済が通らない理由はいくつかあります。三菱UFJ銀行のコラムでは、主な原因として、お店の端末がタッチ決済に対応していない、カードの有効期限が切れている、カードが折れていたりICチップや非接触アンテナ部分に不具合があったりする、そもそもタッチ決済に対応していないカードを使っている、といった例を挙げていました。

それぞれの対処法もコラムで紹介されています。有効期限が切れたカードはタッチ決済だけでなく通常の決済にも使えないので、新しいカードの発行を依頼します。ほかのお店でも同じ不具合が続くならカード会社に相談し、券面にタッチ決済のマークがなければ、発行会社に対応カードへの切り替えを相談するよう書かれていました。

レジで止まったときは、まず金額を見て、本人確認の上限を超えていないかを考えてみましょう。上限内なのに通らないなら、カードの状態や端末の対応を疑います。差し込みで払えるなら枠の問題ではない可能性が高く、差し込みでも通らなければ利用可能枠や有効期限を会員サイトで確認する、という順番で考えると原因を絞りやすくなるはずです。

スマホでかざす場合は上限が違う?

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カードそのものではなく、スマホやスマートウォッチにカードを登録してかざす人も増えています。スマホの場合の上限の考え方を確認しておきましょう。

JCBはスマホのタッチ決済を「上限なし」と案内

JCBのよくある質問「Apple Pay・Google Pay・Samsung Wallet の1回あたりの利用上限額を教えてください。」では、JCBのタッチ決済マークのお店で使う場合、Apple Pay、Google Pay、Samsung Walletのいずれも「上限なし」と表で案内されていました。JCBのカード会員向けの解説ページでも、JCBのタッチ決済ができる店舗であれば、Apple Pay、Google Payのいずれも上限なしで利用できると書かれています。

ただし、同じよくある質問の共通の案内では、利用上限金額は支払いに指定しているカードの限度額や残高に準じること、利用する店舗によって利用上限金額に制限がある場合があることも明記されていました。「上限なし」はJCB側の設定の話で、どのお店でも無制限に使えるという意味ではない点に気をつけたいところです。

スマホで上限なしにできる背景には、スマホ側での本人確認があります。日本クレジットカード協会の加盟店向けの案内では、スマートフォンなどのデバイスの場合、事前に生体認証やモバイルPINの入力などを求められる場合があると説明されていました。カードは持っていれば誰でもかざせますが、スマホは顔や指紋、パスコードで持ち主を確かめてから支払う仕組みになっているわけです。

スマホで使うには、事前にウォレットアプリへカードを登録しておく必要があります。JCBの解説ページによると、iPhoneは「Apple Pay」、Androidは「Google Pay」、Samsung Galaxyのスマートフォンなら「Samsung Wallet」にカードを登録してタッチ決済を行います。カード会社によっては対応できない場合があるので事前に確認するよう書かれていました。三菱UFJ銀行のコラムでは、登録時に電話認証などの本人認証が求められることがあると説明されています。

JCBのブランドページでは、Appleウォレットなら右上の「+」から「クレジットカードなど」を選んで追加し、Google ウォレットなら「ウォレットに追加」から「クレジットやデビットカード」を選んで追加する手順が紹介されていました。高額の買い物でスマホを使う予定があるなら、事前に登録を済ませ、少額の支払いで一度試しておくと当日あわてずに済みそうです。

QUICPayは2万円、QUICPay+は条件で変わる

同じJCBのよくある質問には、QUICPayで支払う場合の上限も載っていました。QUICPayマークのお店では、Apple PayとGoogle Payのどちらも2万円(税込)が上限です。QUICPay+マークのお店では、Apple Payは上限なし、Google Payは3万円(税込)と書かれていました。

なお、Samsung WalletはQUICPayとQUICPay+に対応していないこと、デビットカードやプリペイドカードを支払いに指定している場合は、QUICPay+対応の加盟店でのみ使えることも案内されています。同じスマホでかざす支払いでも、タッチ決済で払うのか、QUICPayで払うのかによって上限が変わるので、レジでどちらの方法を伝えるかが大切になってきます。

QUICPayの公式サイトのよくある質問でも、上限について説明がありました。カードやその他のタイプのQUICPay、またはQUICPayのマークを掲げるお店では、1回あたりの利用上限金額は2万円までとされています。それ以外の上限は、設定しているカードや利用する店舗によって異なるので、カード発行会社とお店に確認するよう書かれていました。

QUICPayとQUICPay+の違いについては、Apple PayやGoogle Payで使う場合はQUICPay+、カードタイプなどで使う場合はQUICPayになると説明されています。それぞれ設定できるカードや1回あたりの利用上限金額が異なるそうです。公式サイトによると、QUICPayは後払い(ポストペイ)、プリペイド、デビットの3つの支払い方法に対応した電子マネーで、2026年3月末時点で全国373万台以上の場所で使えると案内されていました。

注意したいのは、QUICPayとクレジットカードのタッチ決済が、同じ「かざす支払い」でも別の仕組みだという点です。お店の端末がQUICPayにだけ対応していることもあれば、タッチ決済にだけ対応していることもあります。上限を気にするなら、レジでは「QUICPayで」なのか「タッチ決済で」なのかをはっきり伝え、その店でどちらが使えるかを先に確認しておくと安心です。

Apple PayでもPINを求められることがある

Appleサポートの「お店でApple Payを使う時の限度額について」では、一部の国や地域では、加盟店またはカードの発行元からのリクエストに応じて、PINの入力やレシートへの署名、ほかの方法での本人確認が必要な場合があると説明されていました。カードの発行元と加盟店が利用限度額を設定したり、PINの入力を必要としたりする場合がある、とも書かれています。

三井住友カードの解説記事でも、スマホに登録していればカードを持ち歩かずに支払えるものの、店舗によっては上限額が定められている場合があるので、まとまった金額を支払うときは注意するよう呼びかけていました。スマホならいつでも通るとは考えず、高額の支払いではカード本体も持っておくと安心です。

Apple Payがどうやって持ち主を確かめているかは、Appleサポートの「Apple Payのセキュリティとプライバシーの概要」に書かれていました。Apple Payを使うには、必ずデバイスにパスコードを設定しておく必要があります。お店で支払い情報を送るときは、Face ID、Touch ID、またはパスコードによる認証が必要と説明されていました。ただし、エクスプレスカードに設定した交通系ICカードなどは、この認証なしで使えるとされています。

同じページによると、支払いのときにお店の端末へ送られるのは、デバイス用のアカウント番号と取引ごとに変わる動的なセキュリティコードです。実際のカード番号は、Appleからもデバイスからも送信されないと書かれていました。カード発行元や決済ネットワークは、このコードを確かめたうえで決済を承認するそうです。

こうした仕組みがあっても、お店やカード会社の判断でPINを求められることはあり得ます。その場合、レジの端末に表示される案内に従えば大丈夫です。スマホだけで出かけた日に高額の買い物をすると、差し込み用のカードがなくて困ることもあるので、まとまった支払いが予想される日はカード本体と暗証番号の両方を用意しておきましょう。

上限を超えたときの払い方と注意点

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最後に、レジで上限を超えたときにどうすればいいのか、そしてタッチ決済を使ううえで注意しておきたい点をまとめておきます。

差し込みを求められたら暗証番号を入力する

Visa公式サイトの案内どおり、一定金額を超える支払いでは、カードを挿して暗証番号を入力するか、サインをすることで支払いができます。JCBの加盟店向けページでも、端末に表示されるメッセージに従って、サインまたはICカードの差し込みと暗証番号の入力を求めるよう案内されていました。

ただし、今の日本では、本人確認は暗証番号が基本です。日本クレジットカード協会の案内によると、暗証番号を入力せずにサインで済ませる「PINバイパス」は、2025年3月末で廃止されました。JCBの加盟店向けのお知らせでも、日本クレジット協会のセキュリティガイドラインに沿って2025年3月にPINバイパスが廃止され、2025年4月からは暗証番号の入力なしにサインで取引することは原則できないと説明されています。

それでもサインを使う場面は残っています。JCBのお知らせによると、タッチ決済でサインを求められた場合や、暗証番号に対応していないカードの場合、サインをもらうかどうかは加盟店の任意となりました。日本クレジットカード協会も、カードや端末の種類、取消や返品の場面などによってはサインで処理することがあると案内していました。また、障害などで暗証番号を入力できないお客さんに対しては、楽天カードの加盟店向けページで暗証番号をスキップする機能を使うよう案内されています。

タッチがうまくいかなくても、カードが使えなくなったわけではないので、落ち着いて端末やお店の人の案内に従えば大丈夫です。暗証番号を忘れてしまっていると、ここで手が止まってしまいます。日本クレジットカード協会は、暗証番号を忘れた場合は至急カード会社に問い合わせるよう呼びかけていました。照会の方法はカード会社によって違うので、会員向けのサイトなどで確かめておきましょう。

日本クレジットカード協会の加盟店向けの案内によると、カード会員の約89%が暗証番号を覚えていると答え、87%が暗証番号の入力は必要だと感じているそうです。同協会は利用者向けの案内で、カード会社や警察が電話で暗証番号を確認することはないとも注意を促していました。暗証番号を聞き出そうとする電話は詐欺を疑い、答えないようにしてください。

レジでは「Visaで」「JCBのタッチ決済で」と伝える

Visa公式サイトでは、支払いのときに「Visaで」と伝え、リーダーのライトが光ったらカードやスマホをタッチするよう案内されていました。店舗や端末によっては「Visaをタッチで」と伝える必要がある場合もあるそうです。JCBのブランドページでは、「JCBで」または「JCBのタッチ決済で」と伝えるよう書かれていました。

JCBの解説ページによると、支払い方法を自分で選ぶタイプのレジやセルフレジでは、決済画面で「クレジットカード」や「タッチ決済」を選んでからかざせばよいそうです。三井住友カードの解説記事では、タッチ決済と交通系ICカードはかざす端末が違うので、Visaのタッチ決済を使うときはリップルマークの付いた専用端末にかざすよう注意を促していました。

伝え方が大切なのは、お店の端末によって操作するボタンが違うからです。日本クレジットカード協会の加盟店向けの案内では、端末でのタッチ決済の受け入れ方に「2面待ち」と「3面待ち」の2種類があると説明されていました。2面待ちの端末では、磁気カードや差し込み式のICカードは「クレジット」ボタン、タッチ決済は別の「タッチ決済」ボタンで処理します。3面待ちの端末は、どの方法も「クレジット」ボタン一つで受け付けられる仕組みです。

日本クレジットカード協会は、受け入れるカードによってボタンを変える必要のない3面待ちを推奨しているそうです。とはいえ、2面待ちの端末では、店員さんが「クレジット」を選んでしまうとタッチ決済で受け付けられないこともあり得ます。最初に「タッチ決済で」と一言添えておけば、店員さんも迷わず操作でき、やり直しを防ぎやすくなります。

JCBの加盟店向けページを見ると、店員さん側の手順も「お客様のお支払い方法確認」から始まっていました。お客さんから「JCBのタッチ決済で」または「JCBで」と申し出があることを前提に、端末の「クレジット」キーを押し、金額を入力してからリーダーにかざしてもらう流れです。端末によってはボタンの表記が「NFC PAY」「コンタクトレス」などになっている場合もあると書かれていました。

暗証番号なしで払える分、紛失には早めの連絡を

三菱UFJ銀行のコラムでは、タッチ決済は暗証番号の入力が不要なケースも多いため、カードやスマートフォン、スマートウォッチを紛失したり盗まれたりすると、気づかないうちに第三者に不正利用される可能性があると説明されていました。日ごろから利用明細をこまめに確認し、紛失に気づいたらすぐにカード会社へ連絡して利用停止の手続きをするよう呼びかけています。

一方で、Visa公式サイトでは、カードを渡さずに支払いが完了し、氏名やセキュリティコードが見えないため偽造やオンライン不正を抑止できると紹介されていました。全取引はAIと暗号化を使ったVisaNetが24時間監視していて、紛失や盗難のときも原則ゼロ負担とされています。ただし、適用条件は商品によって異なるので発行会社に確認すること、海外での現金引き出しは対象外であることも注記されていました。

三菱UFJ銀行のコラムでは、少額の決済が繰り返されると不正利用に気づくのが遅れやすい点にも触れていました。タッチ決済は本人確認なしで払える金額が決まっているので、悪用されるとしたら上限以下の買い物が何度も続く形になりやすいでしょう。明細を見るときは、大きな金額だけでなく、覚えのない少額の支払いが並んでいないかも確かめたいところです。

カード会社によっては、補償の期間も決まっています。JCBの解説ページでは、紛失したカードの利用停止は24時間365日、オンラインと電話で届け出ができ、不正利用されても紛失・盗難の連絡をすれば届け出日から60日前以降の損害額の補償を受けられると説明されていました。ただし、会員規約違反や故意・過失がある場合は対象外で、補償はクレジットカードの利用分のみとされています。

スマホで払っている人は、スマホそのものの対策も欠かせません。JCBの解説ページでは、スマホを落としたときは遠隔操作での機能停止や回線の停止、紛失モードの設定などを行い、事前に生体認証や画面ロックを設定しておくよう勧めていました。日本クレジットカード協会は、暗証番号に生年月日や電話番号、住所などを使わないよう呼びかけ、他人に知られたことで生じた損害は会員に請求される場合があると注意しています。

まとめ:タッチ決済の上限は「ブランドの基準+お店の設定」で考えよう

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  • Visaのタッチ決済は、一定金額(原則15,000円)を超えると暗証番号の入力などの本人確認が必要
  • VisaとMastercardのブランドルールで、本人確認なしの上限(CVMリミット)は10,000円から15,000円に変更された
  • JCBは金額を一律に示しておらず、端末とカード発行会社の設定によって異なる
  • 1万円以上で暗証番号を求めるお店もあり、ページによって書かれている金額が違うこともある
  • JCBはスマホのタッチ決済を上限なしと案内しているが、カードの限度額やお店の制限には従う
  • 上限を超えたら、カードを差し込んで暗証番号を入力する(2025年4月からは暗証番号が原則)
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この記事を書いた人

カードやキャッシュレスの仕組みを調べ、比較の判断材料を中立的に整理する編集部です。

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